Tunnel Hunter
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境界
モノゴトの境い目


通過 蟻の一穴
 トンネルの中央で壁面に囲まれるとき、これは暴力だと思うことがある。半アーチ状にまっすぐに続くほんの小さな軌道(チャネル)は、巨大な山体を鋭く貫通し、体内を突き抜けた弾痕のようである。
 実にちっぽけなこの小さな“穴”だが、いったいどれだけの通過を許してきたのか。

 
人が通過しただろう、
物が通過しただろう、
情報が通過しただろう

愛が通過したかもしれない、
憎しみが通過したかもしれない、
権力が通過したかもしれない

時間が流れ、
風が吹きぬけ、
音がこだまする



 ほんの一筋のこの小さなチャネルから、いったいどれだけが通過していったのか。
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